ケンシロウ日記

思ったことを思いつくままに。

一目惚れした憧れの人

一目惚れした憧れの人

 

50代の私が将来を語るのも、ちょっと気恥ずかしい気もするんですが、これから先、こんな女性になりたいなあと思う女性がいます。

 

キャリアコンサルタントの受講でお目にかかることができた講師の先生です。

 

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もともと私は別の先生の講義を受けていたんですが、たまたま欠席した振り替えの補講で出会ったのがこの先生でした。同席した他の生徒さんからの噂によると、 60代になられたばかりと言う。 60代には見えないキュートで可愛らしい先生でした。 キュートといっても、もちろんキャピキャピしたものではなく、落ち着いた女性らしい可愛らしさ。

私が先生の何に惹かれたかというと、表だってはっきりは見えない先生の思いでした。

私の好きなマイケル・ジャクソンからマイコー先生→マイコ先生と呼ぶことにします。

 

 

私は松岡修造さんみたいに熱い人も好きですが。その先生は真逆のタイプです。

 

私が受けた講義は、ちょうどキャリアカウンセラーという資格が、まさにこれから国家資格に移行するという時で、ですから先生たちも、教える内容の基本は変わらなくても、やはりどのような問題になるかという少しざわざわした状態だったようです。実際、それぞれの講義で、いろんな先生方がオブザーバーとして後方に座っておられる姿がよく見られました。後で聞いた話では、やはりお互いの教え方などを、先生方同士、勉強なさっていたということでした。

 

 

受講生の全員が、当然、国家資格を目指しているわけで、講師の先生も、そりゃあ受からせたいという気持ちはおありでしょう。でも、実際、授業受けていて、そういう思いみたいなものは、さほど感じるものではありませんでした。それが悪いというわけでもなく。

 

 

極端な例ですが、松岡修造が講師だったとして「絶対合格するぞーーーーーーーっ!!」と、額にハチマキをして拳を突き出されれば、(この先生、私たちを合格させようと思ってくれているんだな)とわかりやすい。

 

マイコ先生の授業は、松岡修造とは違いギラギラとは真逆。知的なその話し方には、むしろ熱さなどは感じずに進んでいくのですが、発せられる言葉の端々に、「私たちを合格させたい」という気持ちがぐんぐん感じられるわけです。

「もうね。なんか心配になっちゃって」、と少し困った顔をしながら、ホワイトボードに手作りの資料をマグネットで貼られる姿を見て、なんだか私、感動したんですよね。わざわざ時間をかけて作ってこられたんだ。しかも、わかりやすい!

ホワイトボードをスマホのカメラで撮って、一緒に勉強している本来のコースの受講生仲間と共有したら、すごく喜ばれました

「なんか心配になっちゃって」。初めての国家資格化された試験を控えて、問題を作る立場ではない以上、ある程度の問題予測を立てる事は出来ても、誠実であればあるほどに自信満々にはならないのではないでしょうか。

 

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私は、キャリアコンサルタントになりたいというよりも、「仕事」というものがそもそも好きで、この資格に興味があるというのが勉強を始めたきっかけでした。誰かに喜ばれる、役に立てる仕事はしたいけれど「カウンセラーになりたい」という気持ちはさほどありませんでした。フリーランスで仕事をするよりも、就職をして、大きな枠組みの中で自由にやりたい。就活での年齢をカバーするためにも資格を活かして就職の武器にしたいとは考えていましたが。

受講生への誠意ある姿勢を持つマイコ先生を見ていて初めて漠然と、こんな仕事がしたい、そして先生みたいな女性になりたい、文字通りあっという間に密かに憧れるようになったのでした。

 

だけど、先生は私の担当講師ではなく、たまたま偶然出会っただけの別のコースの講師。自分の心の中だけでロールモデル(こうなりたいという理想のモデル)として追いかけていきたい。そんな気持ちでいました。

 

 

そうして講座を受けていた私でしたが。

 

 

 

講座の中断。遠くに家出する。

 

 

 

娘の中学入学を機に受講し勉強を始めた講座でしたが、時同じくして、娘は新しい環境にうまく適応できず、様々な問題が次から次と起こっている状態でした。受講中や帰宅途中の電車の中で何度も学校からの着信があり、途中下車してトイレの中から電話折り返すことも度々ありました。新しく学ぶことに期待でワクワクしていた私でしたが、それは見る見る萎んでいきます。娘は学校生活のストレスが自宅で一気に爆発する日々。私は宿題として出される課題をこなすことも辛くなっていく。いつの間にか、授業は全く頭の中に入らず、実技であるカウンセリングのロールプレイングでは、クライアント役を前に、頭の中が真っ白になり、言葉すら出ない有様となっていきました。

 

これ以上続けても、勉強することは全く頭に残らないし、受験して合格することはできない。悩んだ挙句、私は講座の中断と、最初の受験断念を決めました。食欲もなくし、思考力もなくなるような状態に陥っていました。

そして。

私は夫に勧められ、心身の回復を目標に友人の協力を得て一時、故郷に身を移すことになるのでした。

 

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最後の授業

 

 

受講していたコースで私の最後の授業となったその日。授業の終わりに、担当講師の先生から私が一旦、コースから降りることを15名ほどの仲間に伝えられました。一瞬にして しーんと静まり返った教室。

 

お昼休みに一緒になった仲間の一人に、一旦のリタイアを告げた時、「シェリナナさんとはこれからも会いたいです。連絡していいですか」と聞いてきてくれた方の言葉が嬉しく、私もそうでありたいと思い。だから、本当は話すつもりはなかったんですが、先生に了承を得て、どうして中断に至ったのか、最低限のことをみんなの前で話をしました。

家庭の問題で精神が疲弊してしまい、勉強が続けられなくなったこと。夫と話し合い、しばらく家を離れることにしたこと。涙ぐんでいたかもしれません。

 

悔しかった。

無念でした。

せっかくここまで来たのにって。

みんなと一緒に講座を終えて受験がしたかった。唇を噛みながら、仲間にお別れを伝えました。

 

……、まぁその後、全受講を終えてから、軒並み受験が失敗することが分かっていたら、あんなにセンチメンタルな気持ちには恥ずかしくてとてもならなかったんですけど。

 

 

 

その日の授業がすべて終了していた時だったので、私の挨拶で解散となります。仲間に肩を叩かれながら、そして連絡先を交換し合いながら私の短いその講座コースは終了となりました。

 

実はこの日。振替講義でお世話になった、あのマイコ先生がオブザーバーとして数人の先生方と一緒に授業を見ていらっしゃったのです。

これを運命と言わずして何と言いましょう。

 

私は帰宅するために教材の入った重いバッグを肩に、オブザーバー席の1番前に座っていらっしゃるマイコ先生のもとに近づきました。

「先生、覚えていただいていますか。振替講義でお世話になった〇〇です。不躾なお願いですが、名刺を頂けませんでしょうか」

先生は、私の中断決断に対して、真剣な眼差しでエールをくださり……。

 

 

名刺、ゲーーット!!!

 

 

いつか国家資格を通ったらご連絡させていただこう。それを励みに頑張ろう。

 

こうして、マイコ先生とも、担当の講師の先生や受講コースの仲間とも一旦、お別れをしたのでした。

 

続く。


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※ 今更ですが、はてなブログ、コメントの返信ができないんですね。

励みになります。ありがとうございました!