あなたじゃないとできないことがあるわ。
前回からの続きです。
(精神的に疲労しきっていた私は、資格受験のための講座も中断して夫の勧めで故郷に)
10日ほど家を空け、気の置けない友人と話をしたり、毎日、自然に触れながら、私は少しずつそしてあっという間に自分を取り戻し、東京に帰りました。それからは、冷静になった頭で娘と学校のことも考えることができ、家族で話し合いをしながら、おかげさまで今は娘も元気に学校生活を楽しんでいます。
「国家資格を通ったらご連絡させていただこう」
そう思っていただいた、マイコ先生の名刺でしたが、ご承知のように待てど暮らせど、国家試験に通らないわけですよ。本当にいい加減にしてほしい。このままでは、存在も忘れられてしまう。
そこである日、私はマイコ先生の名刺に書いてあるメールアドレスに連絡をします。
国家試験に合格したら、自分へのご褒美にご連絡をさせていただきたかったこと。しかし、惨敗続きなこと。いつになったら連絡できるかわからないと思ったこと。GCDF(民間資格)は合格したので、これを言い訳としてメールを送らせていただいていること。
そして、先生のようになりたいと憧れており、是非1度何時でも何処でも構いません、ご一緒させていただけないでしょうかと。
図々しいにも程があります。また、国家資格に合格していないことから、先生を利用する様に(いろいろと教えていただくこと等)感じられたらどうしようという不安もありました。
緊張している私に先生からOKの返事をいただくのです。
しかも、銀座の素敵なレストランを先生自ら予約してくださいました。申し訳ないです。ありがとうございます。
こんなナンパ女をまともに相手してくださるなんて感涙。この当時、国家試験にも就職活動にも落ちまくっていた最中だったので、久しぶりの嬉しい出来事でした。
フランス料理のコース。マイコ先生が予約してくださったクーポンで、シャンパンまでいただくことができ、料理は美味しいはで最高でした。
この時に、たくさんのいろんなお話をするんですが、さすがは先生、聞き上手で。聞かれるがままに何でもかんでもポンポンポンポン喋ってしまった。
リクルートで働いていたこと。働きたいけど就職活動は上手くいかず、書類選考落ちが続いていること。仲間には、自分で(仕事を)始めろ、と言われるけど自信もないことなど。
あの講座を中断する時、精神的に限界を感じていたこと。私は営業が本職だったので、カウンセリングは真逆で、しかも落ち続けて自信がないこと。娘は育てにくい子どもで、相当に苦労したこと。何度も限界を感じながらブログを書いていて(別ブロク)、読者の方に救われながら、今、現在まできていること。など。
マイコ先生。「ブログはお子さんのことを書いているの?」
「はい。わたしのように、子育てに苦労している人は多いんです。私が娘の悪口も言いたい放題書いているので、共感して応援してくださる方もいて」
先生は少し黙った後、おっしゃいました。
「シェリナナちゃん。国家資格、取りなさいね。シェリナナちゃんじゃないとできないことがあるわ」
「そんなのあるんでしょうか…」
「苦しんでいるお母さんの力になること。それは私にはできないわ。シェリナナちゃんがやらなくちゃいけないことじゃない?」
え?
ちょっと考えてもいなかったことでした。
先生は独身でお子さんはいらっしゃいません。
私はなんとなく曖昧に話題を変えました。
続きます。
画像by pastel flower さん