ケンシロウ日記

思ったことを思いつくままに。

論理的思考について。続き。胸の奥の古傷が痛む。

前回の記事を書いた「翌日」から怒涛のトラブル続きで。気がつけばまさかの3ヶ月も放置。今更の続きで恐縮ですが読んでいただければ幸いです。頂いたコメントの承認もしないまま、大変申し訳ありませんでした。しっかり読ませていただきました。

 


前回からの続きの記事です。ある意味のマニアックな話ですが、懐かしい気持ちで思い返した話です。

 

ーーーーーーーーーーー

(前回記事からの続き)

新米編集長として順調に業績を上げていた私に先輩編集長から電話がありました。その要因を尋ねられたのです。


私が「はいっ。それはですね、多分…!」と、心を込めて丁寧に返答したにもかかわらず。質問者はその時は「ありがとうございました」と仰って、私は少しは役に立てたかなと、嬉しく誇らしい気持ちになったものでした。が、しかし実際は。その先輩編集長が、「シェリナナさんの説明の時は「わけがわからなかったけど」、アシスタント(をしてくれていた事務方の優秀な女性スタッフ)の返答で、よくわかりました」と言っていたとことを、上司の私へのチクリにより知りました。


とても優秀なスタッフだったので、(やっぱ賢いわ~)と感心するだけで、気にもせずに終わっていたんですが。

 


先日、 「マッキンゼーロジカルシンキング」という本を読んで当時をふと思い出しました。
当時の会社で、私は「コイツにやらせてみるか」という、試しで任命されていたようなものだと自覚もあったし、論理的でないことは東京に行われる全国編集長会議の席で致命的であり、劣等感に苛まれることでした。

思い出を辿ってしまい、いかに私が論理的に話が出来ないか、優秀な彼女と、私とでは何が違ったのか、という事を、今更、まじまじと再認識することになったのです。

読んだ「ロジカルシンキング」という本の話からの流れで、夫に、この当時の話をしたところ、彼にこう言われました。


「俺シェリナナと付き合って長いじゃん」

付き合ってというか、中学生の子どもがいることがおかしくないほどに一緒に暮らしてますがな。

 

「で、俺の見立てで考えるとね。多分シェリナナは、『メンバーのみんながめちゃくちゃ頑張ってくれて』とか、『メンバーの意識が変わってきた』みたいな話をするんだと思うんだよ」


あー。言いそう、言いそう。 

言う、言う、そんな感じのテキトーなやつ。


「でもね。説明したっていうその女の子は、多分こんな風に言うんだよ。『よくわかりませんけど、いつもシェリナナさんはこう言ってます』ってね」

(※ 私の受け持った版は新版なので、採用したメンバーも営業未経験者が多くいました。ここで話している事は営業歴が浅いメンバーに対しての話になります。ちなみに、営業経験がそれなりにある人に対しては、逆に、いかに効率よく短い時間で実績を上げられるか、という課題になってくるので、話す内容は全く別になります)

 

夫が想像する女性スタッフ談。


シェリナナさんはメンバーに「まずは100件まわれ」ていつも言ってますね。


100件目標で訪問しているうちには、話を聞いてくれる先に必ず出会う。

お客さんがお忙しい中、勝手に訪問しているわけだから、訪問先で厳しいこと言われてもそんなもの当たり前。仕事の手を止めさせるという失礼なことをしているんだから。だけど誤解するな。それは訪問行為を拒否しているだけであって、あなたの人格を否定されているわけじゃない。それでも否定されているようで苦しかったら、心を(傷つかないように)ロボットにして訪問する。

そしたらその過程できっと、何かいいことあるから。例えば、今まで冷たかった飛び込み先からの「いつも頑張ってるね」なんて言うねぎらいの言葉(辛さに耐えて新規開拓していると、こういう言葉に物凄く救われたりする)。「今月は考えないけど、来月ぐらいだったら…」という情報。

くじけそうになった時、必ずお客さんが助けてくれるから。必ず誰かあなたの頑張りを見ている人がいるから。


話を聞いてくれる先があったら、そのクライアントの大事な時間を奪っているという自覚を持つ。それなのに話を聞いてくださることに感謝をして、うちの商品が (ぶっちゃけ広告営業) お役に立てると信じて話をする。最大限の効果を上げる提案をする。信じて下さったクライアントに「やってよかったよ。これからもよろしく」と喜んでいただける結果を、役に立つ成果を上げる=ご恩返しをすること。今はできなくてもいい。

でもそれは忘れない。私たちの仕事は商品を売ることじゃない。クライアントの業績UPに貢献することが私たちの仕事。対価を頂くということは責任を伴う。

 

夫「みたいなね」

これらは、夫が転職して初めて営業になったときに、彼にアドバイスを求められて、私がしていた話の数々でした。


言ってた、言ってた。

でも、現実問題、獲ってこい、という話も当然しなければいけないわけなんだけどね。


「別の厳しいエリアなら、ここは 『120件を目標に回ってみて』 みたいな話をすると思うよ。


したな。

 

ちょっと余談になるけど。逆算が大事。目標を達成するにはその個人の力なら何件訪問が必要か。100件というのは覚悟でもあり、目標でもあり。これは個人の営業力によるので一概に言えないのだけど、例えば100軒回って10件の見込み客が出来る。10件の見込み客のうち、成約に結べるのが1件だったら、5件契約をあげるには500件の訪問量が必要になる。
だけど、力がついてきたら10件の見込み客から4~5件あげられるかもしれない。目標を達成するためには……。

いえ、つい延々熱く語りそうになってしまうけど、本題からどんどん逸れていくので、この辺でやめよう。

 


「で、シェリナナはメンバーの人が、 100件回ってきて一件も取れなくても、たぶんめちゃくちゃ褒めると思う」


褒める、褒める! というか、メンバーがそこまで頑張れたのなら、それは単純に心から嬉しい。一緒に事業を成功させたいと思っていたから。100件まわるって本当に大変だ。それは、それを長年やってきた私が1番よくわかっている。


「そういうことを言っていた、とその女性スタッフは説明したんじゃないかな」

 

なるほどねぇ。こういうのをロジカルな、と言えるのかもよくわからないけれど、とりあえずは私が、先輩編集長にメンタルの話しかしてなかったことだけは10年以上経った今頃、わかりました。


先月、この創刊期メンバーのみでの100名を超えが一堂に集結し、同窓会が開かれました。その時にも、何の話の流れだったか、飲みながら私が自虐的に「論理的になれない」と言ったら、今は会社経営をしている同期だった男性に、笑いをかみ殺すようにして「わかるわかる」と言われてしまった。
別の編集部だったのに、どうしてそこまで知ってるの? 自分で言うのはいいけど、あんなに納得されると複雑よ。書きながら、当時の劣等感を今更刺激。うっ。い、痛い。胸の奥の古傷が微かに痛む。


そしてこの同窓会が、前回のブログ更新から散々な悪夢に拍車をかけて、私の更なる厳しい現実を突きつけられることになったのでありました。

それではまた。

今度こそ、こんなに長く空けないぞ!